宮位の解説
出典：紫微研習社
紫微斗数の十二宮は命盤の基本的な枠組みを構成し、各宮位は人生の異なる側面を表しています。「宮」は絶対的な概念であり、「位」は相対的な概念です。例えば、父母宮は絶対的な呼び名であり、あなたの祖父はあなたの福徳宮であると同時に、あなたの父母宮の父母位でもあります。
紫微斗数の十二宮は地支に従って星盘上に反時計回りに配置されており、順序は以下の通りです：命宮、兄弟宮、夫妻宮、子女宮、財帛宮、疾厄宮、遷移宮、僕役宮、官禄宮、田宅宮、福徳宮、父母宮。
紫微斗数では、宮位には二つの呼び方があります：一つは地支+宮で呼ぶ方法（例えば卯宮、戌宮など）で、この呼び方は星盘上の位置が誰にとっても同じです。もう一つは宮名で呼ぶ方法（例えば命宮、財帛宮など）で、この呼び方の位置は人によって異なります。
なお、本文で紹介する宮位はすべて本命盤上の解釈であり、本命盤は態度や概念を表すものであって、吉凶禍福を表すものではありません。特定の時期における宮位の良し悪しを知りたい場合は、運限盤を確認する必要があります。
命宮
命宮は星盘主人の属性を決定する宮位で、ゲームにおける職業のようなもので、その人の性格傾向や本質的特徴を示しています。命宮は人の核心的な性格、最も基本的な個性特質を表しています。
しかし、人の性格は立体的であり、命宮の個性は星盘主人の本質を表すに過ぎません。運命を決めるのは性格ではなく、認知です。同じタイプの性格を持つ人でも、自身の認知の違いにより、同じ事柄に対して全く異なる考えを持つことがあります。
注目すべきは、大多数の人にとって、他人が最初に接する個性特質は、命宮に現れるものではなく、遷移宮に体現される特質であることが多いという点です。
兄弟宮
兄弟宮は主に星盘主人と兄弟姉妹との付き合い方を反映しています。また、父親と母親を区別する際にも、兄弟宮を通じて母親との付き合い方を見ることができます。
これは、兄弟宮が星盘主人の兄弟宮であるだけでなく、星盘主人の父母宮の夫妻位でもあるためです。伝統的な紫微斗数の解釈では、財運を見る際にも兄弟宮に注目します。これは、兄弟宮が財帛宮の田宅位であり、財帛の流れを表す宮位であるため、流動資金の状況を反映することができるからです。
夫妻宮
夫妻宮は感情を表す宮位で、星盘主人の配偶者選びの基準や感情に対する態度を示しています。それは星盘主人の命宮の三合四正内にはありませんが、感情や結婚は一生に影響を与える可能性があるため、その重要性は無視できません。
自分がどのような伴侶を好むのか、どのような人に惹かれるのかわからない場合は、自分の紫微斗数星盘を見ることで何らかのヒントを得ることができます。
注意すべきは、夫妻宮は「桃花」（恋愛運）を見る宮位ではなく、「桃花」を表す宮位は子女宮であるという点です。
子女宮
子女宮は子供だけでなく、「桃花宮」でもあり、これは「小さな人を作る」という行為から派生したものです。子供と桃花を見るだけでなく、子女宮はビジネスパートナーとの状況も反映することができます。これは、子女宮が官禄宮の僕役位であり、仕事上のパートナーシップを表しているためです。
財帛宮
財帛宮は星盘主人の財務に対する態度、金融概念、物質的欲望などを表しています。原理的には、財帛宮は星盘主人の「栄養」であり、生活や生存を維持する宮位です。
財帛宮が星盘上で目立つ場合、星盘主人が「資源を消費する」傾向が強く、一般の人よりも多くの物質的条件を必要とすることを示しています。そのため、財務管理や金儲けの機会に対する感度が一般の人よりも高くなります。これらの人々は「お金の使い方を知っている人はお金の稼ぎ方も知っている」という特徴によく当てはまります。
しかし、実際の富の蓄積は田宅宮で見ることができます。
疾厄宮
疾厄宮は星盘主人の身体と体質を管理しています。「疾厄」には「病気」の意味だけでなく、「苦難」の意味も含まれており、身体の物理的な状態を指しています。
疾厄宮は星盘主人の自分の身体に対する態度も明らかにしています。例えば、なぜある人はフィットネスを続け、自分の体型をうまく管理できるのに、ある人は「冷たい水を飲んでも太る」のか、疾厄宮からいくつかの手がかりを見つけることができます。
注意すべきは、体調が悪い場合は速やかに医師の診察を受け、疾厄宮が「強い」からといって自分の健康を浪費してはならないということです。
遷移宮
遷移宮は紫微斗数星盘上に「入口」として存在し、「偽装」または「包装」の特質を示しています。社交の場で、人々はしばしば「最初に彼に会ったときは彼はこんな風ではなかった」と言いますが、これは長い付き合いの後、遷移宮を通して命宮、さらには福徳宮の個性を見たためです。
遷移宮が星盘上で「特に良い」パフォーマンスを示している場合、星盘主人は自分自身を包装するのが特に上手で、「キャラクター設定」が比較的得意であり、自然と人間関係も良好であることを示しています。逆に、「特に悪い」パフォーマンスを示している場合、星盘主人は社交が不得手、身だしなみに無頓着、または親和力が低く、細かいことにこだわらず、他人の目をあまり気にしない個性を持っているため、自然と人間関係も良くないことを示しています。
僕役宮
僕役宮は交友宮とも呼ばれ、その人の社交圏と友人選びの基準を示しています。僕役宮を通じて、その人がどのような友人と付き合うのが好きか、友人を選ぶ目がどうか、友人圏の構成などを理解することができます。
僕役宮の存在感は比較的低い（人々は通常、キャリア、関係、財務、親、子供、健康などをより気にします）ですが、「コミュニケーション」という重要な任務を担っています。
官禄宮
官禄宮は事業宮とも呼ばれ、星盘主人の物事に対する態度や仕事に対する態度を示しています。将来のキャリアに明確な計画がない場合は、自分の官禄宮を参考にすることができます。少なくとも方向性を示し、どのようなタイプの仕事が適しているかを教えてくれます。
官禄宮は仕事の有無にかかわらず、すべての人に影響を与えます。学生にとっては、勉強が日常の仕事です。専業主婦にとっては、家族の世話が日常の仕事です。パートナーに頼って生活している人にとっては、関係を維持することが仕事です。
田宅宮
田宅宮は「収集」を表す宮位で、不動産だけでなく、星盘主人と家族との関係も示しています。古代の人々は「家の平和」を非常に重視していたため、田宅宮の状況から星盘主人の幸福と不幸を見ていました。
田宅宮は「財庫」の位置であるため、富の蓄積も示しています。財帛宮が強いが田宅宮が壊れている人は、お金を稼ぐのが非常に上手だが、使うのも非常に上手かもしれません。これらは、使うのも稼ぐのも上手なタイプです。財帛宮が弱いが田宅宮が強い人もいて、彼らは収入を増やし支出を減らすことを理解し、お金を貯めるのが好きな人かもしれません。
福徳宮
福徳宮は星盘主人の思想と内面世界を表しています。遷移宮をゲームの「スキン」（外見）、命宮を「初期属性ポイント」（本質的特徴）、疾厄宮を「物理的抵抗」（身体の強さ）に例えるなら、福徳宮はその人の「思想」です。
「福徳宮を修養する」とは、強い心を育て、外部のものに喜ばず、個人的なことに悲しまず、感情的に安定した人になることを指します。このようにすれば、外部環境に刺激されて衝動的または間違った決定や行動をすることが少なくなります。
他の宮位は多くの場合「潜在意識」の状態で相互作用しますが、福徳宮による行動は思慮深い行動です。そのため、福徳宮が強く修養されるほど、人生の許容誤差が高くなります。
父母宮
父母宮は十二宮の中で唯一、命宮より先に現れる宮位であり、また星盘の中で唯一選択できない宮位です。それは星盘主人の親（主に父親を見る、母親との交流状況は兄弟宮を見る）を表しています。
父母宮は星盘主人の「先天的な栄養」を表しています。星盘主人を木に例えるなら、父母宮は苗木に栄養を提供する土壌です。肥沃な土壌で成長に豊富な栄養を提供する苗木もあれば、不毛の地で育つ苗木もあります。
注意すべきは、父母宮が目立ちすぎると、他の宮位が相対的に弱くなることです。親の保護から離れると、星盘主人は一般の人よりも大きな挑戦に直面することになります。
特殊宮位
上記の十二宮の他に、紫微斗数には三つの隠れた宮位があります：身宮、暗合宮、来因宮。これらの特殊宮位は命盤の解釈において重要な役割を果たしますが、十二宮の基本的な枠組みの中にはありません。
結語
紫微斗数星盘の先天盤には良し悪しの区別はなく、属性の違いだけです。人間は社会的動物であり、協力が必要です。様々な種類の職業、様々な特徴を持つ人々が必要です。したがって、他人のあなたの星盘に対する主観的な評価が良いか悪いかによって、あなた自身の心構えに影響を与えないでください。紫微斗数の知識を学ぶことで、自分自身をより包括的、客観的に理解し、人生の旅でより自分に適した選択をすることができます。