概要
安天刑天姚星訣は、紫微斗数において、命主の誕生月に基づいて命盤に天刑と天姚の二つの小限星を配置するための重要な口訣です。 口訣の原文は、「天刑は酉から正月を起し、生月まで順に安んじる;天姚は丑宮から正月を起し、生月まで順に留まる」とあり、両星の起点宮位と数え方を示しています。 異なる流派では、「順」と「逆」の数え方に微妙な違いがあります。一部の流派では天姚を逆数で生月まで数えることを主張していますが、現代の解釈では両方とも順数として統一されています。 天刑は陽火に属し、秩序、法規、自律を象徴します。天姚は陰水に属し、感情、放縦、誘惑を司ります。 これらの星が落ちる宮位は、命主の法律問題や人間関係の紛争における運勢だけでなく、性格における自制心や衝動的な傾向も反映します。
用語と基礎
十二宮と地支の順序
紫微斗数の命盤は地支によって十二宮に分けられ、一般的に使用される地支の順序は以下の通りです。
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥
安星訣を適用する際には、この順序で「順数」(時計回り)または「逆数」(反時計回り)に宮位を移動させます。
「順」と「逆」
順:起点宮位から地支の順序に従って順に進むことを順数と呼びます。 逆:起点宮位から地支の逆順に従って逆に戻ることを逆数と呼びます。 天姚の安星時における「順」と「逆」の使用は流派によって異なるため、具体的な流派の口訣を参照する必要があります。
安天刑法訣
原文と起点
天刑星は酉から正月を起し、本生月まで順に安んじる。
起点:酉宮(酉の地支が位置する宮位) 数え方:正月を第一歩とし、酉宮から「順数」で誕生月の地支が位置する宮位まで順に数え、到達した宮が天刑の所在宮となります。
例
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命主が旧暦3月生まれの場合:
- 正月は酉宮から始まり、順数で戌(1)、亥(2)、子(3)と数えます。
- 子宮に天刑が配置されます。
意味の解釈
天刑は司法、規律、制裁を司り、吉化に遭えば正義を助け、煞曜に挟まれれば官司や訴訟に遭いやすいとされます。
安天姚法訣
原文と起点
天姚星は丑宮から正月を起し、本生月まで順に留まる。
- 起点:丑宮(丑の地支が位置する宮位)
- 数え方:一部の流派は「順数」を主張し、また学者の中には生月まで「逆数」を提唱する者もいるため、使用する際には自身の学んだ流派を参照する必要があります。
例(順数派)
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命主が旧暦4月生まれの場合:
- 正月は丑宮から始まり、順数で寅(1)、卯(2)、辰(3)、巳(4)と数えます。
- 巳宮に天姚が配置されます。
例(逆数派)
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命主が旧暦4月生まれの場合:
- 正月は丑宮から始まり、逆数で子(1)、亥(2)、戌(3)、酉(4)と数えます。
- 酉宮に天姚が配置されます。
意味の解釈
天姚は陰水に属し、感情、誘惑、放逸を司ります。吉宮に落ちれば文才や社交の機会が増しますが、煞曜に遭えば逸楽に溺れやすく、感情の煩悩が生じやすいとされます。
流派の違いと提案
- 南派:天刑と天姚の配置には「順数」を用いることが多く、両星とも対応する起点宮から生月まで順に数えます。
- 中州派/北派:天刑は順数、天姚は逆数を用いることが多く、陰陽の相対性を表現します。
- 現代普及版:教育を簡素化するため、両星とも順数として統一されることがよくあります。使用する際には誤解を避けるため、流派を明記する必要があります。
適用提案:初心者は、まず使用している命盤ソフトウェアや師から教わった安星法訣に従い、実際のケースで練習を重ねてから他のバリエーションを試すことで、正確性と流派の一貫性を確保できます。