title: 起大限訣(大限を設定する訣) description: 紫微斗数における大限の配置方法であり、人生の長期的な運勢を予測するための重要な手法です。
起大限訣(大限を設定する訣)
概要
起大限訣は、紫微斗数において人生の長期的な運勢周期である「大限」を計算し配置するための方法です。大限は一般的に10年単位の運勢周期を表し、人生の各ステージにおける全般的な傾向を示します。この方法は、命盤に時間的な次元を加え、生涯にわたる運勢の流れを理解するための重要なツールです。
基本原則
大限の計算と配置には以下の原則が適用されます:
- 年齢周期: 大限は通常10年を一周期として計算されます。
- 出生年干支の影響: 出生年の干支(天干地支)が大限の起点と方向を決定します。
- 男女差異: 男性と女性では大限の起点と進行方向が異なります。
大限の計算方法
基本的な計算手順
- 出生年の干支確認: 対象者の出生年の干支(天干地支)を確認します。
- 性別の確認: 対象者の性別を確認します。
- 大限の起点決定: 性別と出生年の干支に基づいて大限の起点となる宮位を決定します。
- 大限の進行方向決定: 性別と出生年の干支に基づいて大限の進行方向を決定します。
男性の大限計算
男性の場合、出生年の干支によって以下のように大限の起点と方向が決まります:
- 陽年生まれ(甲、丙、戊、庚、壬): 命宮から順行(時計回り)に大限を配置
- 陰年生まれ(乙、丁、己、辛、癸): 命宮から逆行(反時計回り)に大限を配置
女性の大限計算
女性の場合、出生年の干支によって以下のように大限の起点と方向が決まります:
- 陽年生まれ(甲、丙、戊、庚、壬): 命宮から逆行(反時計回り)に大限を配置
- 陰年生まれ(乙、丁、己、辛、癸): 命宮から順行(時計回り)に大限を配置
大限の年齢分配
一般的な大限の年齢配分は以下の通りです:
- 第一大限: 1歳〜10歳
- 第二大限: 11歳〜20歳
- 第三大限: 21歳〜30歳
- 第四大限: 31歳〜40歳
- 第五大限: 41歳〜50歳
- 第六大限: 51歳〜60歳
- 第七大限: 61歳〜70歳
- 第八大限: 71歳〜80歳
- 第九大限: 81歳〜90歳
- 第十大限: 91歳〜100歳
- 第十一大限: 101歳〜110歳
- 第十二大限: 111歳〜120歳
実践例
以下に具体的な例を示します:
例: 1985年(乙丑年)生まれの男性
- 出生年の干支: 乙丑(陰年)
- 性別: 男性
- 大限の起点: 命宮
- 大限の進行方向: 陰年生まれの男性なので、命宮から逆行(反時計回り)
- 大限の配置:
- 第一大限(1-10歳): 命宮
- 第二大限(11-20歳): 父母宮
- 第三大限(21-30歳): 福徳宮
- 第四大限(31-40歳): 田宅宮
- 以下同様に逆行方向に続く
大限の解釈と応用
大限の意味
各大限期間は、その宮位と宮位内の星の影響を受けます:
- 宮位の性質: 大限が位置する宮位(命宮、財帛宮など)はその期間の生活の焦点を示します。
- 星の影響: その宮位にある主星と福星、煞星の組み合わせがその期間の運勢の質を決定します。
- 四化の影響: 四化星(化禄、化権、化科、化忌)の影響もその期間の特徴を形成します。
実用的な解釈
大限の解釈では以下の点を考慮します:
- 宮位の領域: 例えば、官禄宮の大限期間はキャリアに焦点が当たります。
- 星の組み合わせ: 例えば、紫微星と左輔星が共にある宮位の大限期間は、リーダーシップと支援を受ける時期を示します。
- 流年の影響: 大限と流年(その年の運勢)の組み合わせで、より詳細な予測が可能になります。
理論的根拠
大限の計算方法は、中国古代の宇宙論と時間周期の概念に基づいています。陰陽の原理と十二地支の循環が、人生の長期的な周期と対応しているという考え方です。
注意点
- 正確な出生データの重要性: 大限の計算には正確な出生年の干支が必要です。
- 宮位と星の総合的解釈: 大限の解釈は、単に宮位だけでなく、その宮位にある星の組み合わせも考慮する必要があります。
- 流年との組み合わせ: より詳細な予測のためには、大限と流年の組み合わせを検討する必要があります。
結論
起大限訣は紫微斗数において人生の長期的な運勢の流れを予測するための重要な方法です。大限は人生の各ステージにおける全般的な傾向を示し、詳細な命盤解釈の時間的枠組みを提供します。正確な大限の計算と解釈により、人生の様々なステージにおける傾向と機会を理解することができます。