《起紫微星訣》は紫微斗数において紫微星の位置を決定するための重要な口訣であり、命理学において独特の意味を持っています。全文は「六五四三二、酉午亥辰丑、局数除日数、商数宮前走;若見数無余、便要起虎口、日数小于局、還直宮中守」です。以下に詳細な解析を示します:
- 「六五四三二、酉午亥辰丑」:この部分は五行局と紫微星の始点宮位に関連しています。「六」は火六局に対応し、紫微星は酉宮に始まります。「五」は土五局に対応し、午宮に始まります。「四」は金四局に対応し、亥宮に始まります。「三」は木三局に対応し、辰宮に始まります。「二」は水二局に対応し、丑宮に始まります。これらの対応関係が後続の計算の基礎となります。
- 「局数除日数、商数宮前走」:具体的な操作方法の核心指針です。誕生日の数字を所属する五行局の局数で除して商数を得ます。口訣に対応する始点宮位から、時計回りに商数に基づいて十二宮位を移動し、到達した宮位が紫微星の初期位置となります。例えば、ある人が旧暦の十五日に生まれ、五行局が土五局の場合、15を5で除して商数3を得ます。土五局は午宮に対応するため、午宮から時計回りに3格進み、順に未宮、申宮を経て、紫微星は酉宮に初期位置をとります。
- 「若見数無余、便要起虎口」:割り切れる場合の特別な説明です。誕生日数を局数で割ったときに余りが0の場合、寅宮(「虎口」は寅宮を指します)から始め、時計回りに商数分の格数を移動して紫微星の位置を決定します。例えば、ある人が旧暦の24日に生まれ、五行局が火六局の場合、24を6で除して商数4かつ余り0となります。この場合、寅宮から時計回りに4格進み、順に卯宮、辰宮、巳宮、午宮を経て、紫微星は午宮に位置します。
- 「日数小于局、還直宮中守」:日数が局数より小さい場合の位置決定の問題を解決します。誕生日数が所属する五行局の局数より小さい場合、紫微星は直ちに口訣に対応する始点宮位に定められます。例えば、ある人が旧暦の3日に生まれ、五行局が木三局の場合、3は3より小さいため、紫微星は辰宮に位置します。木三局は始点宮位として辰宮に対応します。
《起紫微星訣》を用いて紫微星の位置を確定した後、紫微斗数の規則に基づいて他の星曜を配置し、各星曜が異なる宮位で形成する組み合わせや相互関係を総合的に分析することで、人の運命の流れを推測します。これには、事業発展、財運状況、結婚感情、健康など多くの側面が含まれます。しかし、紫微斗数は伝統的な命理学として、その科学性は現代科学による検証を受けておらず、より多くは文化的な現象や伝統的な知識体系として存在しています。